車に乗る前や帰宅時のポイント

車に乗る前や帰宅時のポイント

利用者を安全に起こり届けるのが送迎の仕事でメインの役割となりますが、もっと質の高いサービスを目指すのであれば、他にも意識しておきたいことがあります。利用者だけでなく家族の助けにもなれるような送迎について考えてみてはいかがでしょうか。

LINEで送る
Pocket

基本的には送迎は「玄関まで」

これまでの送迎では、利用者の自宅の中には入らず玄関と施設の間でのサービスが基本でした。一人で着替えをしたりベッドから車椅子へ移動するのが困難な利用者の場合は、家族がサポートするか、別にヘルパーを利用していることが多かったようです。この場合、介護経験のない家族にとっては重労働であり、送迎の時間に合わせるために仕事に支障をきたしてしまう人も多く、ヘルパーを利用するにしても経済的負担がかかってしまうことから、改善が求められてきました。
そして近年の介護報酬改定によって、送迎に付き添う介護職員が上記のような対応を行うことが可能となり、利用者の家族に喜ばれることとなったのです。

全ての介助ができるわけではない

これまでよりも送迎時のサービス可能範囲が広がったとは言え、時間や内容には制限があります。まず、あくまでも送迎に関わる介助ですので時間は30分以内と定められており、その内容は利用者の着替えやベッドから車椅子への移動、家の戸締りなどです。また、全ての職員がこれを行うことができるわけではなく、サービスを提供するのに必要な条件もあります。介護福祉士や介護職員初任者研修などの資格を保有している職員がこれに当たり、同施設で3年以上勤務している職員も含まれます。
このように送迎時の介助には色々と制限があり、且つサービス提供時間にも含まれますが、それでも利用者の家族にとっては身体的・経済的負担を減らすことができるので、通所タイプの介護サービスは今までよりも利用しやすくなった、と言っても決して過言ではないでしょう。

家族とのコミュニケーションの機会にもなる

介護職員の仕事は主に施設内で利用者のサポートをすることですので、ケアマネージャーや施設の責任者のように利用者の家族と会話する機会はあまり多くありません。利用者が普段自宅でどのように過ごしているのか、家族との関係性はどうなのかということは、普段の仕事にも大いに役立つヒントになるので、送迎時に短い時間でも利用者の家族と会話する機会を持つことは大変有意義です。また自宅の生活環境を確認することによって利用者との会話の題材にしたり、もしその中で不都合に感じている部分を発見できれば施設での介護の改善に役立てることもできます。
加えて、利用者の様子だけでなくご家族の心情にも寄り添うことができればなお良いでしょう。介護のプロとは違い、家族は利用者をサポートするにあたって心身共に大変な思いをされているはずです。職員が家族に直接何かをしてあげられるわけではありませんが、胸につかえている思いを聞いて少しでも心が軽くなるような気遣いができれば、信頼関係の構築にも役立ちます。