車内でのアクシデントも想定しておく

車内でのアクシデントも想定しておく

送迎の際にはスケジュール管理がとても重要なポイントとなりますが、乗車後にも細かい配慮が必要です。複数の高齢者が乗車しているので、大きなトラブルにつながらないようにそれぞれに合わせた対策を行わなければなりません。

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乗車したからといって安心はできない

全ての利用者が転倒などもなく無事に送迎車に乗ったとしても、あとは到着まで何もしなくてもよい、というものではありません。安全で効率的な送迎のため、乗車後のリスクについても考えておく必要があります。
代表的なものとしては、車両事故の問題が挙げられます。高齢者の送迎をするドライバーは、他のドライバーと比べても強く安心・安全な運転を心がけていると思いますが、やはりそれでも車を運転する際には皆等しく注意しておかなければならないポイントがあります。車両事故が起こりやすいタイミングとしては、ドア開閉時やバック時、発進の際や左折する場合が挙げられますが、具体的にどんなケースが多いのかをリスト化し、事業所内で傾向を把握しておくことが必要です。また、状況に応じてこの場合は運転手と介護者がそれぞれこういった動きをする、ということを決めておくことも、大きな事故の予防につながります。

利用者の情報を把握しておく

複数の利用者を送迎する際には、個々の体調を把握しておくことが大切です。どのくらいの介助が必要な利用者なのかはもちろん認識していると思いますが、それでも体調の変化は急に起こり得るものであり、状況に合わせた対応が求められます。
そのために意識しておきたいのは、乗車中と乗車直後の会話です。得るべき情報をしっかりと把握して、利用者の体調を管理する必要があります。例えば車内温度は、季節ごとに傾向が異なるばかりでなく、乗車している人数によっても変化します。今の車内温度で大丈夫かどうかを各利用者に適宜確認するようにし、空調やブランケット、うちわなどを利用して体温変化をなるべく一定に保つように工夫することが求められます。
また、昨晩よく眠れたかどうか、朝食はどんなものをどの程度食べたのか、今日の調子はどうかなどを聞いておくことも必要です。例えば睡眠不足の場合、乗車中に深く眠ってしまうことによって意識レベルが低下する可能性もあるので、深い眠りに落ちないように常に声をかけるなどの対策をします。また、朝食を食べていなかったり、調子が悪いと言う利用者は乗車中に体調が急変する場合も考えられます。そういった場合には嘔吐に備えてビニール袋を用意しておくなどの対応も必要になります。夏場であれば、自宅での冷暖房の使用具合についてや、ここ数日で嘔吐や下痢は発生していないかなど、脱水症状に関する質問も大変有効です。